☆お見舞いに来てください☆
「よく似合ってる」
「……ありがとうございます」
当たり前のように照れ笑いを浮かべると、彼は私に手を差しのべた。
お手をどうぞ、と言わんばかりのスマートな仕草に私の方こそ見惚れてしまう。
まるで物語に出てくる英国の王子の様だ。
私はそんな彼の手を取ると、座っていた椅子からゆっくりと立ち上がる。
と、それと同時にこれ見よがしに先生の唇がそっと耳元に寄せられた。
「やっぱりそのドレスにして正解だったね。まるで本物のプリンセスみたいだ」
「や、せ、先生のおかげですよ」
先生が一緒に選んでくれたウエディングドレス。私はいいよって言ったのに、わざわざオーダーメイドしてくれた。私だけのたった一つの特注品。
だから私の体にとてもピッタリ。
Aラインのドレスはヌーディーなシースルーレースのデコルテや背中、肩の透け感なんかはちょっぴり大人のエレガントスタイル。
プチスリーブのレースの肩も、深めにあいた背中も私には少し大胆かなと思ったけど、先生はすごく誉めてくれた。
肌にレースが施されたデザインは今年トレンドのものなんだとか。
上質チュール素材がとても上品で、先生の発言じゃないけど本当に何処かのプリンセスにでもなった気分だ。
「あらあら、二人してもう寄り添って絵になること。すでにお腹いっぱいになりそうね。ねぇ、あなた?」
「ああそうだな。見ていてとても微笑ましいよ」