☆お見舞いに来てください☆
そう言って終始朗らかな笑みを向け、周りを和ませる発言をしたのは秀先生のお父さんとお母さん。
あれから、私と秀先生は2年の交際を順調に得て今日この日を迎えることができた。
あんなに結婚について悩んでた私だったのに。
それが嘘のようにこの2年。先生との生活の中でごく自然に自然にそうなりたいと思えるようになった。
きっとそれは先生の愛情深い人柄に魅了されたから。
この人なら大丈夫。この人なら信用できるって。
私を優しく包み込んでくれる先生を前にして、私だってずっと隣で支えたいと思わずにはいられなくなったからだ。
「お義父さんお義母さん、ふつつか者ですがこれから宜しくお願いします」
「あら、なんて可愛らしいことを。こちらこそ宜しくお願いしますね。うちの息子を選んでくれてとても嬉しいわ」
お義父さんも隣でうんうん、と涙ぐみながら頷いている。
なんていうか、とても素敵なご両親だ。
秀先生がこんなに温かな人柄に育ったのがよく分かる。
正直初めは反対されると思っていた。
挨拶に行った日、私はいい顔をされないと思っていたのだけど、それは大きな間違いだった。
むしろ私を快く迎え入れてくれて、とても喜んでくれた。
しかも先生が初婚じゃないことを丁寧に謝られたぐらいだ。
「こんなバツイチのおじさんを選んでくれて本当に感謝しかないわ」
お義母さんは離婚してずっと女っ気がなかった先生をとても心配していたらしい。
このまま一人で年老いでいくんじゃないのかと本気で気の毒に思ってたらしいのだ。
だからなのか、私を見た途端大げなさぐらいの歓迎をされ、逆に戸惑ったのをよく覚えている。