☆お見舞いに来てください☆

それから暫くの間俺はまともに家に帰れなかった。
うちの産科医が1人事故で入院してしまい、その分人手が足りなくなってしまったからだ。
すぐにかわりの応援をを要請したものの、なかなか見つからない状態だった。

難しいお産も続き、病院で寝泊まりする頻度も増えてしまい、俺達のやり取りは主に電話でのやり取りだった。

「なかなか帰れなくてごめんね。大丈夫?来週には新しい先生が2人ほど応援に入る予定だから、そしたら俺も一度家に帰れると思う」

「分かりました。大丈夫ですよ。家のことは任せてくださいね。来週会えるの楽しみにしてます」

「ありがとう。早く未来を抱きたい。沢山愛したいからね」

「私もです。秀くんと沢山キスしたいので」


まるでバカップルのような会話に笑いが込み上げる。
だが、たったこれだけのことで疲れや疲労が吹き飛んでしまうのだら俺も単純だと思う。
それぐらい未来への愛情は偉大だ。
愛する彼女との生活は俺にとって何より大切なもの。大事な活力になっている。
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