☆お見舞いに来てください☆
だが、そんな浮かれてた自分を一喝したいと思う出来事はすぐに訪れた。
夜勤を終え、ようやく自宅に戻れた時、彼女の変わりように驚いた。
健康的だった頬が少し痩せていた。
むしろやつれていると言ってもいい。
全体的に華奢だった体型がさらにほっそりと。抱き締めたときの感触の変化に気付いた俺はあからさまに眉を寄せた。
「もしかしてまだ体の体調が良くないの?」
そんな俺を見て未来は首を横に振ったけど、微妙に気まずそうだ。
「……熱は下がりました」
「……熱は?」
とは?ひっかかる言葉に俺は未来の顔を真っ直ぐ見つめ返す。
すると彼女は俺から視線を反らそうとする。
「……ただ、まだ本調子じゃないだけです。少し食欲が落ちてるだけですから」
「それってけっこうしんどくない?」
「大丈夫です。ちょうどダイエットもしなきゃと思っていたのでちょうどいいかなって…」
「不健康なダイエットはあまり感心しないよ」
「……ですね。ほどほどにします。あ、それより朝食まだですよね?今作くるので待っててください」
彼女がさっと離れてく。
半分納得しきれない気持ちで後ろ姿を見送った。
一瞬間のようなものに気付き、やっぱりひっかかりを感じながらも、もう少し見守ることにした。
俺の心配しすぎならいいのだけど…。
彼女の誤魔化そうとする態度に少し寂しい気持ちになった。