☆お見舞いに来てください☆
そこまで聞いて俺はある1つの可能性を思い付く。
ここ最近の彼女の不可解な行動を思いだし、この時やっと色んな疑問が1つの点にまとまったような気がした。
「あのさ、それってもしかして……」
それに気付いたとき、俺はまじまじと彼女を見つめてしまった。
それと同時に俺の心臓がドッと勢いよく波打ち始める。
「1つ聞いていいかな?毎月の月経は?ちゃんと決まった周期できてる?」
その言葉を聞き、えっと顔を上げたのは未来の方だった。
そして思い返す素振りを見せたあと、狼狽えた瞳に変わる。
「…あ、そう言えば…。今月はまだ、です。予定日より遅れて……」
そこまで言って俺達は顔を見合わせる。
未来はハッとしたように言葉を震わせた。
「たぶん遅れて2週間ぐらいだと……。あ、え?もしかして……」
俺は立ち上がり部屋を出ると仕事用の鞄に手を伸ばす。
ちょうど今日、営業からたまたまリニューアルしたばかりの検査薬のサンプルを渡されたばかりだった。
「未来、検査しよう。可能ならすぐ」
俺の言葉は彼女の不安定な心に確信をもたらしたらしい。
そして俺以上に早い決断。先程の不調が吹き飛ぶような仕草を見せ受け取った検査薬を握りしめる。