☆お見舞いに来てください☆
そして気分が安定した頃、未来は体調を気づかいながらゆっくり起き上がった。
「あ、あのっ。行ってきます」
「行ってらっしゃい。体ふらつかない?支えなくて大丈夫?」
「はい」と力強く頷いた彼女がトイレへと向かう。
その姿を冷静に見送りながらも、内心ドキドキでどうにかなりそうだった。
この時、ほぼ90パーセントの確率で嬉しい方の確信があった。
それは旦那としての直感。はたまた医師として今までの経験がそう思わせるのか。
そして10分後、涙目になりながらふわっと満面の笑みを浮かべた彼女を見てたまらずぎゅっと抱き締めた。
「か、確信通りでした」
「おめでとうっ」
自分の言葉が自分を満たしてく。
目の前の彼女を抱き締めずにはいられなかった。
こんなにもふわふわとして、高揚する思いは初めてだ。
「明日うちの病院でちゃんと検査しよう。いいね?」
「…あ、はい。よろしくお願いします」
そんなやり取りに彼女はやっぱり泣いた。
そして俺も泣きそうになった。
新しい命が芽生えたと分かったこの夜、2人して気持ちが高ぶりなかなか寝付くことができなかった。