☆お見舞いに来てください☆
次の日俺は今までで1番緊張したかもしれない。
確かな期待と高鳴る思いで未来の中から小さな命を見つけた時、言葉にならないほどの嬉しさが込み上げた。
「よし、いいね。ちゃんと心拍も確認できたよ。今だいたい5週目の半ばぐらいかな。大きさはこれぐらい」
今しがた映した画像に2人して釘付けになる。
未来は暫くそれを真剣に見つめてたけど、「まだこんなに小さいんだぁ」と感動の声を漏らす。
「後藤ちゃんおめでとう!」
うちのナース達も喜んでくれた。
未来は以前までうちの病院で働いていたこともあり、周りの皆もまるで自分のことのように祝ってくれた。
そして特に喜んだのがうちの両親。
吉報を聞いた瞬間両手を広げて喜んでいた。
ずっとこの日を待ち遠しく思ってたのだと。
ようやく私もお婆ちゃんになれるのね。
なんて言って産後やその後のサポートは全力でするわと胸を張っていた。
「へへ、なんか照れますね…」
家に帰ったあと、未来は照れ笑いを浮かべた。
ソファーに座りそっと手をお腹に当てる仕草。
それはもう愛しさを全面に出してる雰囲気だ。
「でも嬉しい誤算だったね」
「私もまさか自分が妊娠してるとは思わなくて…。もしかしたら悪い病気なのかもとか考えてたぐらいなので」
「変な病気じゃなくて本当によかった。俺もこれから家族の為にうんと頑張らないと」
俺はしっかりとした覚悟を決め未来を抱き寄せた。そのまま額に頬にキスをする。そして労るよう未来のお腹に手を当てながら込み上げる嬉しさを噛み締めた。