☆お見舞いに来てください☆

教室の方は暫くの間休んでもらうことにした。
代わりに1人ベテランのスタッフを増やし、なるべく未来の負担を少なくする方向へと決めた。

本人は教室を空けてしまうことをやっぱりどこか躊躇ってはいたが、とにかく今が大事なとき。
せめて悪阻が落ち着くまでは無理はしないことと約束してもらい、俺たちは新たな目標に向かって歩くことにした。

新しい命を迎える為の大事な第一歩。
その為なら俺は何だってしてやれる。

そして幸せの連鎖とは実に不思議なものだ。
その日の週末、未来と2人。陽生と果歩ちゃんに妊娠の報告に行った時それは起こる。
嬉しいサプライズを…と思って来たはずが、逆に驚かされたのは俺達の方だった。


「うわっ、何その偶然!実はね、うちらも3人目の子供が今お腹の中に…」

「は?」
「えっ?」

2人して声が被ったのは言うまでもない。
果歩ちゃんははっと照れくさそうに。陽生はしてやったりというか、ただ満足そうに頷いている。

聞けば妊娠が発覚したのはつい昨日のことだとか。
検査薬で陽性反応があり、週明けの明日。つまりは月曜日になったらうちの病院に診察に来る予定でいたらしい。


「すごっ!やばいね。こんな偶然ってあるんだね!」


驚きつつ、これはもう笑うしかない。
しかも全く同じタイミングって。
予定日もきっと1週間程度しか変わらない。
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