☆お見舞いに来てください☆
俺は呆気にとられたが、未来は凄く嬉しそうだった。
「三月さんが一緒だなんて心強い!なんか得した気分!」
なんてはしゃいだ台詞まで飛び出していた。
本当に嬉しそうだった為、俺も陽生も満更じゃない表情で顔を見合わせた。
これはもう、偶然以上の奇跡と言ってもいいのだろうか。
そして俺達の間に幸せの波が広がっていく。
「果歩ちゃん、先輩ママとして変わらず未来をサポートしてやってくれる?」
「もちろんです!言うまでもないですよ」
「これからはママ友としてもよろしくだね。三月さん」
何だかんだ温かい。
新しい命の奇跡が皆を笑顔にしてくれる。
心が満たされるということは実に素晴らしいことだ。
「なぁ、秀。俺らも気合い入れて頑張らないとな」
「だな。お前に負けないぐらいいい父親になってやるよ」
俺は俺で新たな目標をたてる。
お腹の子供を全力で守りたい。もちろん未来や果歩ちゃんも。
旦那として、医者として精一杯努力しようと心に決めた。
そしてまだ見ぬ我が子がどんな顔なのか。
会えた瞬間なんて言おう。
一番最初に会える俺の特権だ。
産婦人科医でよかったと思う喜び。
新たな出会いに胸が膨らんでいく。
この日から俺はワクワクする思い。愛しい存在の誕生を今か今かと心待ちにするのだった。
end。