満月の夜に優しい甘噛みを
「・・・雨かよ。こんな時に・・・」

雨で服も髪もびしょ濡れになった。

(このまま雨と溶けてしまえれば・・・。)

そんなことを考えながら俺は道路を渡る。

信号の色を見ないまま・・・

キー・・・!!

「凛斗!!」

俺の頭に響く急ブレーキの音と爽河の叫び声。

俺の目に見える車のライト・・・。

俺の目に見えた赤信号。

次の瞬間・・・

強い痛みが俺を襲った・・・。



俺の意識はそこから途切れた・・・。
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