満月の夜に優しい甘噛みを
ガラッ・・・

教室のドアを勢いよく開けて青空が入ってきた。

「曖來!今日放課後空いてるか?」

「え?あ。放課後は・・・」

「今日俺ん家来いよ。」

「え?何急に・・・」

「親にお前のこと言ったら会いたい!

って言われてさ。

お前のこと紹介したいんだ。」

「え?それってなんか・・・」

「結婚の挨拶みたいだなハハッ。」

青空は少し顔を赤くしてそう言った。

「・・・うれしいよ。青空。」

それは本心だった。

でも私の心に引っかかったのは凛叶のこと

明日にしてもら・・・

そこで私の考えは止まった。

青空がすごく嬉しそうにしていたのが目に入ってしまったから。

(・・・どうしよう。)

凛叶と青空。

どちらに行くか・・・

すぐに答えを出すことは私には

容易ではなかった。
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