満月の夜に優しい甘噛みを
悩んだ末、私が向かった場所・・・

それは・・・

ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・

(やっぱり怪我した人を

放っておけることなんて・・・

できないよ。)

たくさんの機械の音が耳に響く。

私が選んで向かったのは、

意識不明の凛叶の方だった。

「・・・あ、曖來ちゃん!?

ど、どしたの?」

「・・・意識不明って聞いたから様子見に来たんだ~。

・・・ひさしぶりだね。爽河くん」

「懐かし~その呼び方。

凛叶もきっと喜ぶよ・・・。」

「凛叶の状態は・・・?」

「・・・うん。

かなり危険な状態らしい。

あいつ、吸血鬼だし血がないと・・・」

会った時の顔とは一変して

爽河くんは真剣な顔でそう答えた。

「・・・そっか。凛叶は?」

「あぁ。104号室の個室だよ。」

「わかった。」

私はそう答えて凛叶の病室に向かう。

「・・・曖來ちゃん!」

「・・・なに?」

「来てくれてほんとにありがとう。」

「・・・う、うん!」

「俺、飯食ってから行くから」

「うん。」
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