満月の夜に優しい甘噛みを
チャイムの鳴る音と共に私たちは走り出した。

キーンコーンカーンコーン

キーンコーンカーン・・・

3限終了のチャイムがなった。

(や、やっと終わった・・・)

私は大嫌いな数学と長時間がんばって向き合っていた。

それは今自分の中で起きていることを打ち消すため

・・・でも、あった。

何回もいうけど

昨日はいろんなことが起きすぎて

私の頭の中は未だにグチャグチャ。

それを少しずつ消すたもにも、

何か打ち込むものが必要だった。

だから私は頭を使う数学に没頭していた。

その分、頭が破裂しそうなくらいがんばった。

(次はお昼休みだ!!)

「曖來~、お弁当食べよ~!

あ。今日は、青空(そら)もね~」

「よっ、曖來」と教室のドアを乱暴に開け、

私の名前を軽々しく呼ぶ

この男子の名前は冴木青空(さえきそら)。

美弥俚の幼なじみで、

入学した時に

美弥俚の紹介で仲良くなった男子の1人で

いっつも寝癖のついた、赤茶色のストレート髪の

常に全力でおもしろい明るい性格から

クラスでも人気のある男子。

私はそんな青空の弱みを握っている・・・。

青空は美弥俚が好き。

そういう弱みをね。

「美弥俚~好きな人できた~?」

わざとはっきり聞いてみた。

青空は目をぱっちりさせて

真剣に美弥俚を見つめていた。

その姿がおもしろくて笑いそうになったのを必死でこらえていた。

「ん~できないんだよ~!

人間はね~」


「やっぱり、そういうと思った。」
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