満月の夜に優しい甘噛みを

(青空に悪いことしちゃったな・・・)

状況が落ち着いてから私は我に返って考えた。

交代で凛叶につくっていう約束したけど・・・

青空のとこ行きたいな・・・。

爽河くんに言ってやっぱり無理って・・・

「曖來ちゃ~ん。

交代!」

爽河くんが全速力で私の手にバトンタッチした。

「爽河くん病院で走っちゃダメだよ~」

「あーごめんごめん。じゃ、よろしく」

「・・・あのね。爽河くん。私やっぱり・・・」

「・・・帰るとか言わないで。曖來ちゃん」

私の心を見据えたようにそういった。

爽河くんは続けていった。

「凛叶・・・ほんとに、

曖來ちゃんが来てくれて喜んでた。

曖來ちゃんと話したいって顔してたよ?

久しぶりに笑ってたんだ。

だからお願いあいつの近くにいてあげて・・・

このとおり。」

爽河くんは頭を下げて頼んできた。

「ちょ、ちょっと・・・わかった。

だから頭・・・」

「ありがと・・・!曖來ちゃん。」
< 115 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop