満月の夜に優しい甘噛みを
その後はたわいもない話をした。

凛叶は黙って私の話を聞いてくれていた。

凛叶は私の目をあまり見ずに話していた。

すると2時間はあっという間に過ぎた。

「・・・あ。交代だ。

爽河くんと変わるね。」

「・・・曖來。」

「ん?なに。」

「最後にさ・・・

血吸わせてくれない?」

「うん。いいよ。」

凛叶は私の首筋に顔を近づけて血を吸った。

「・・・っ。」

「・・・いっつもごめんな。

美味しいよ」

椅子を立った時・・・

クラッ・・・

「・・・っ。」

私はひどい頭痛とめまいに襲われた。

「・・・曖來?

おい。曖來!」

頭に響く凛叶の声が遠のいていくなか私の記憶はそこで消えた。
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