満月の夜に優しい甘噛みを
「・・・凛叶?凛叶!」

俺の名前を呼ぶ曖來の声。

俺にとっては大切なことだった・・・。

俺はごめんという気持ちを曖來に伝えた。

曖來は許してくれた。

今は青空といて幸せだと言って・・・

俺はあの時どうしてたら曖來とずっといられたのかな・・・。

青空じゃなくて俺を選んでくれてたんだろう・・・。

そう思うと自然と目頭が熱くなった。

(・・・やばい。

涙でそう。)

俺が泣く姿なんか曖來に見せたくない。

声が震えてる俺に気づいた曖來に

バレないようにするために病室を出てもらった。

「・・・うぅ。」

俺は1人病室で泣いた。

曖來の幸せを嬉しく思う反面

俺がそうしてやれなかったという後悔。

その複雑な気持ちが 涙となってすべて出てきた。

今俺にできるのはあいつの幸せを願うことだけ。


そろそろ帰ってくる・・・。

俺は涙をなんとか堪えて曖來の帰りを待った。

帰ってきた曖來の目を俺は見る事ができなかった。

それから2時間はあっという間に過ぎていった。
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