満月の夜に優しい甘噛みを
「・・・そっか。」

「あ~ほら!

貰ったケーキ食べよ!

ケーキ!」

私は重い空気を破ってケーキに手を伸ばした。

その時だった。

ガラッ・・・!

「・・・はぁ~はぁ~はぁ~。

曖來!大丈夫か

何があ・・・って。またあんたかよ~。」

「そ、青空!?

何でここに・・・」

「・・・まさか。」

凛叶がぼそっと呟いた。

すると青空の後ろから爽河くんがひょこっと顔を出した。

「へへっ~。

びっくりした~?俺が呼びました~!

言わなきゃでしょ?彼氏さんだしね♡」

「ありがとう。爽河くん。

来てくれてありがとね。青空。」

「当たり前だろ。

来るに決まってんだろ。

俺の彼女なんだし。ヒヒッ~!」

「・・・ってまたあんたか。」

青空の顔が一気に強ばった。

私はこれはやばい!と思って

「り、凛叶は私にずっとついててくれたの!」

「・・・ずっとか。

ま。いいけど。

凛叶さんちょっといいですか?」

「・・・」

凛叶は無言で私のもとを去った。

青空は笑顔で凛叶を病室の外へと呼び出した。

なんだろう・・・。

ま。いいや。

その選択が私の間違いだったことに気づくのはしばらく先のことだった・・・。
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