満月の夜に優しい甘噛みを
(・・・あー。もやもやするなー。)

そんな俺の心情に気づいたのか爽河が言ってきた。

「・・・凛叶。

曖來ちゃんにそんなに会いたいなら、

俺に付いてこい。

さっきのであいつの行く場所は大体わかった。」

「え?」

何を言ってるのか理解ができない。

「とにかくこい。」

爽河は急ぐように俺の手を引きながら

ある所へと向かった。

「・・・ちょ。

お、おい。どこ行くんだよ。」

爽河は俺のそんな言葉を無視して、歩き続ける。

(・・・どこ行くんだよ。

もやもやしてんのに。)

そのまま爽河に引っ張られるがまま、

あとをついて行った。
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