満月の夜に優しい甘噛みを
明るい茶髪で服を着崩した男・・・。

そう、それは・・・

「・・・よっと。

まったくーさいってーな男だね!

曖來ちゃんを弄ぶなんて・・・。」

青空にあっかんべーをしながら言う。

「そ、爽河。

お前いつの間に・・・。」

あ。そうだった。

爽河の家は代々伝わる伝統で、

西洋剣術を習っていた。

(・・・あー。

忘れてた。)

それより・・・。

俺の腕の中で震える曖來。

服のボタンが全開に開かれ、下着が見える。

(・・・う。

や、やばい。)

俺はなんとか興奮を抑えながら

曖來の服のボタンを閉めようと手を伸ばした。

その時・・・。

「・・・やっ!あ、凛叶か・・・。

・・・ごめんね。」

「・・・あ。わ、悪い。

怖かったな・・・ごめん。」

曖來が怖がるのも無理はない。

さっきあんなことを男にされたら怖くもなる。

しかもあんな乱暴に・・・。

俺は曖來の体にタオルをかけた。

「・・・ありがとう。凛叶。」

「・・・大丈夫か?

曖來。」

「うん。平気。

ヘヘッ。

私って所詮体目当てで付き合われる女子なのかな・・・。」

「・・・」

「・・・なわけないだろ。

あのクズが悪いだけだよ。

お前にはいっぱいいいとこあるんだし。」

「・・・例えば?

こんな裸同然の女子のどこがいいの?

ハハッ。」

曖來は目に涙を浮かべながら笑う。

「・・・そうやっていっつも無理するとことか、

1人で全部抱え込むとことか・・・。」

「・・・なにそれ。

悪いとこばっかじゃん。」
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