満月の夜に優しい甘噛みを
目を開けた私に見えたのは

布団の上に乗りかかるようにして寝る男子の姿だった。

・・・凛叶。

(もしかしてずっとついててくれたのかな?)

青空に乱暴された体には、タオルが巻かれていた。

私が怖がって凛叶を仰け反ったから・・・。

体を起こしてすぐそばにいる凛叶の寝顔をみる。

スースースー・・・

規則正しい寝息をたてながら眠る凛叶。

「・・・ごめんね。

私のせいで疲れさせちゃって・・・。」

続けてせめてもの謝罪と言葉を述べる。

「・・・うれしかったよ。

凛叶が助けに来てくれて。

すっごい安心したし、

あそこで凛叶が来てくれてなかったら私・・・。」

ほんとうにどうなっていたか分からない。


考えたくもなかった。
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