満月の夜に優しい甘噛みを
「・・・ほんとにありがとう。

感謝してもしきれないけど。」

「・・・あの時の凛叶かっこよかった。」

少し照れくさいけど本音を言った。

どうせ寝てるし・・・。

「・・・今度は私が助けるね。

凛叶。」

そういって凛叶の頭をわしゃわしゃした。

「・・・その言葉、忘れんなよ。

もー寝たフリ限界だわ。」

そういって私の体を抱きしめる感覚。

「・・・え!?

また起きてたの?

凛叶!」

(もしかして、

今の言葉全部・・・。)

「起きてたよ。

お前が起きたその時から。」

「・・・お、起きてるんなら言ってよー!」

「・・・ずっと寝たフリしとこうと思ったけど、お前が可愛いことばっか言うから我慢出来なくなったんだよ。」

「・・・なにそれー!

もー!」

顔が赤くなるのを隠すように凛叶を叩く。

「・・・いって。ごめんごめん。」

「って。顔真っ赤じゃん。

照れてんの?」

「て、照れてない!」

凛叶は私を至近距離で見つめ、

抱きしめたまま顔を触る。

「・・・ほら、熱いよ?顔。」

何も言い返せない・・・。

「こ、これは!・・・」

「・・・てか、ラブホに連れてかれて気づかないとか大丈夫かよ。」

「・・・え。な、なにいきなり?

説教?」
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