満月の夜に優しい甘噛みを
(こいつまたこんなことあったら・・・。)

男のことをまだ分かりきっていない曖來。

このままだとまたああいう目にあう・・・。

そう思った俺はとっさにいった。

「・・・てか、ラブホに連れてかれて気づかないとか大丈夫かよ?」

つい、あたり口調になってしまう。

(・・・なんでもっと

優しく言ってやれないんだろう俺。)

そんなことを後悔する俺をよそに

曖來は怒りながら説教は聞かないという。

(・・・ったく。

そういうことじゃねーよ。)

俺は本当に思っていることを丁寧に教える。

すると曖來は真剣な顔で俺を見つめて

「・・・凛叶。」

とだけいった。
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