満月の夜に優しい甘噛みを
「そっか。

じゃあ俺が言ったとおりにして」

「は、はい」

「じゃあ俺にもうちょい近づいて」

1cm。「もっと・・・」

2cm。「ハハッもっと・・・」

3cm。「ねぇ1cmずつなんて言ってないけどなー。

ハハッ。」

その後もこの時間が続いた。

「あんた、おもしろいね。ハハッ!

あ〜久しぶりに笑ってお腹痛い~。

ハハハッハハッ!!」

「も、もう!

笑わないでよ~!」

「ハハッ!

ごめんごめん

ハハッ」

「も、もう・・・!」

くしゃっとなる綺麗な顔。

もっと笑えばいいのに・・・。

「はい。

じゃあ俺と体が当たるくらい近づいて・・・

っていえばあんたでもわかるよな?」

「わ、わかったから!

笑いすぎ~!ハハッ」

「お前も笑ってんじゃん。

お前、笑ってた方がかわいいな。」

心臓の位置がはっきり分かったような気がした。

「そ、そう?

じゃ、じゃあずっと笑っとこうかな~!

アハハハハッ」

「なーに、照れてんの?顔赤いぞ。」

(・・・ばれた。

バレないように顔隠してたのに・・・)

彼には全て見通されてる気がした。

すると、いつの間にか私は彼と密着していた。

い、いつの間に!?

「じゃあ次は

俺の手握ってみて・・・」

「え?え?え?

いやいやいやいや・・・」


「お前いちいち反応面白いなハハッ」
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