満月の夜に優しい甘噛みを
・・・

(・・・爽河か。)

爽河はポケットから小さな紙を出す。

それは見覚えがあるものだった。

あれはVanpire contract・・・。

Vanpire contractとは

ヴァンパイアと交際を始める上での、

確認事項がたくさん書かれた書物。

契約書および、誓約書でもある。

(まさか・・・。)

そう思った俺は爽河の耳元で言った。

「・・・お前まさか契約させる気かよ。

いいのか、お前は曖來のこと・・・。」

爽河はただ笑っていた。優しく。

「あたりまえだろ。」

と俺に訴えかけるような目線を向ける。
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