満月の夜に優しい甘噛みを
「え?ほんとにいいの?なんか悪いよ~」

「いいから!楽しんでってば!」

「ほんとに!?ありがと!!曖來大好き」

そういって美弥俚が私に抱きついてきた。

その間に美弥俚にバレないように青空に呟いた。

「楽しんできて!がんばれ!」

そう私は小さな声で言った。

青空は「さんきゅ」と言ってピースをした。

2人が仲良くなればいいな~。

私はそう心から願って映画の話で盛り上がる2人を見ていた。



・・・放課後・・・

私は青空と一緒に人気のクレープ屋さんに行った。

美弥俚のことで相談に乗ってほしい、

クレープを奢ってもらうという条件付きで来た。

「・・・で、それでさ~・・・」

「ちょっとトイレ行ってくるね」

「おう!」

(え~っとトイレは・・・・・・あった~。)

トイレの裏側から小さな鳴き声が聞こえた。

なんだろう・・・・・・

私は恐る恐る近づいた。

にゃー・・・にゃー・・・にゃー・・・

(・・・子猫だ。どうしてこんな所に・・・)

か弱そうになく猫を私はだっこした。

(あ・・・。)

子猫は足に怪我をして、流血している。

私はカバンに入れていたハンカチを濡らして子猫の足に当てた。

(・・・これでいいかな?)

少しの間ハンカチを当てたままでいた。

(包帯なんて持ってないよ・・・

ど、どうしよう、青空が持ってるわけないし。)

「・・・何してんの?」

(聞き覚えのある声がする・・・)

「・・・聞いてんの?」

「・・・っは、はい!聞いてます!!」

私はすぐさま後ろを振り向いた。
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