満月の夜に優しい甘噛みを
・・・それから15分くらい歩いたころ。

「じゃあこっから目閉じて。」

「え?また、目閉じるの?わ、わかった」

私は素直に従った。

「お前さ・・・」

「ん?」

「そんな簡単に従ってたらまーた悪い男に簡単に捕まっちゃうよ。

だから、ちょっとは警戒しなって。

・・・まぁ俺は、素直な方が好きだけど。」

「・・・っ。」

「ハハッ。また顔真っ赤。」

「ムーッ」

私は頬を膨らまして怒りを表す。



目をつぶったらなんにも見えなくなった。

当たり前だけどね。

(なんかドキドキする。)

私はそんな思いを持ちながら彼の手を握ったまま前に進んでいった。

その後に待っていることを知らずに・・・。
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