満月の夜に優しい甘噛みを
タッ・・・タッ・・・タッ・・・タッ・・・。

(ずいぶん歩くな~

今どこ歩いてるんだろう。)

「・・・ついた。目開けていいよ。」

「わぁ・・・。」

私が見た景色は大きな木があるツリーハウス。

その下に咲いている一面、

白い花がじゅうたんのようになっている夢のような森だった。

「きれい・・・。

ここ、どこ?」

「・・・ここは俺のお気に入りスポット。

誰も入れたことないんだけど・・・

お前なら入れていいかなって思ったんだよな。」

「私、気に入られてるんだね!」

「いじりがいがあるだけだな。フッ!」

「ムッ・・・」

「怒んな怒んな。

・・・ここたまに悪いやつが出るから気をつけろ。」

「悪いやつって?」

「・・・いろいろいるんだよ。」

それ以上のことは彼は話さなかった。

「・・・ねぇねぇ!部屋見てもいい?」

「あぁ。いいけど。

外には今の時間は出るな。

危ないから。」

「わかった!」

19時30分。

今日は親にはお泊まりだって伝えたから門限の事は大丈夫。

「どこの部屋行こっかな~?」

「あ。

あそこの部屋電気つけっぱなしだ。」
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