満月の夜に優しい甘噛みを
彼はすぐに戻ってきた。

彼の隣には見知らぬ男性の姿があった。

私と同じ年くらいかな?



「紹介してなかったな。

コイツ、居候の・・・」

「誰~?このカワイイ子。」

そういって男性は私に顔を近づけてきた。

私は思わず後ずさりしてしまった。

「ハハッ。顔真っ赤だよ。かわいいね。」

「・・・い、いやそんなこと・・・」

「・・・ほんとかわいい。食べちゃいたい。」

「え。あ、あの、そ、その・・・」

「冗談だって!ハハッ!面白い子だね〜!」

私は助けを求める。

「おい。

あんまそういうこというな。

こいつ、慣れてないんだから。」

そういってデコピンをした。

「いった~。もうちょいてかげんしろよ」

凛叶はため息をついて話した。

「こいつの名前は天羽爽河(あもう そうが)

一言でいうと遊び人。」

「おい!

初対面の女の子の前で何言っちゃってんの!?」

彼は無視して続ける。

「俺と一緒の17歳。

昼はナンパ男。

夜は狼男。

こいつには気安く近づくと危ないから

あんま近づきすぎんなよ。」

「は、はい!」


「お~い!

素直に聞き入れちゃってるし!」
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