満月の夜に優しい甘噛みを
そして爽河くんと2人きりのツリーハウス。

(・・・ま、まだ帰ってこないかな)

私は窓の方に寄ってずっと待っていた。

「ねぇねぇ。曖來ちゃん。

さっきから外気にしすぎ。

もっとこっちおいでって。

寒いでしょ。窓のとこ。」

「いや、だ、大丈夫!!」

「声、震えてるじゃん。

・・・そんな怖い?俺の事。」

「い、いや・・・その」

「まぁ怖いよな。

初対面で2人きりなんて。」

私が考えていたことをはっきりつかれた。

「まぁ。でもこれから仲良くなっていくから!

大丈夫!大丈夫!」

「う、うん!」

「どこで彼と出会ったんですか?」

「ん~ここ。

ここで出会った。」

「凛叶、ここに迷い込んできてさ。

ここもともと俺の家だからさ。

それで俺があいつを保護したってわけ。」

「そうだったんだ。」

「凛叶がここに女の子連れてくるのは、初。

なんでかな?かわいいからかな?

ハハッ。」

「・・・っ、そんなこと・・・。」

「ごめんごめん!

でもさ、凛叶は放っておけないやつを助けてあげたいって思うやつだから。

きっと君がそうだったんだろうね。」
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