満月の夜に優しい甘噛みを
凜叶について初めて詳しく知れたかもしれない。

凜叶はきっと何かを抱えて生きている。


その答えを聞けるのは・・・いつかな?


22時を回った頃。今日は満月。

「ねぇ。凛叶のこと好きなの?」

「・・・え?なんで?」

「いや。凛叶の話真剣に聞いてたからさ。」

私は正直自分の気持ちがわからない。

好きなのか嫌いなのかそれすらわからない。

それは私の恋愛経験不足のせい。

でも一言だけ言えるのは彼といると落ち着くし楽しいって思える。

・・・これって恋してるのかな?

わかんないな~。

恋愛に慣れてなさすぎて・・・。

「わ、わかんない」

「・・・そっか。

じゃあ俺にもチャンスはあるってことか」

そういって爽河くんが近づいてきた。

「・・・あ、あの」

「あ、顔真っ赤。あー我慢の限界だ。

ほんとかわいすぎ。」

そういうと彼は私を床に押さえつけた。

(手、出さなかったんじゃ・・・)

「ちょ、ちょっと・・・」

「君が悪いんだよ。もう無理。

理性保てなかったわ。」

彼は私の首元に顔をうずめた。

すると首をペロッと優しくなめられた。

「・・・っ」

「ねぇ。弱いとこ、どこ?教えて。」

その時。

ガラッ・・・。

ドアが開いて息を切らした凛叶が入ってきた。

そして、爽河くんを私から引き離した。

「やっぱりな・・・

ハァハァハァもうちょい遅かったら・・・」

「あ~あ~。もうちょっとだったのに~」

「・・・空見たら満月だったからハァハァ」

息を切らした凛叶がそう言った。

爽河くんはブゥーと口を膨らませて言った。

彼は私に近づいて優しく声をかけた。

「大丈夫だったか?

なにもされて・・・って・・・」

私は安堵して彼に抱きついていた。

「・・・怖かった。遅いよ。」

私はそう一言だけ言った。
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