満月の夜に優しい甘噛みを
私は時計を見る。

針は18時ちょうどを指していた。

「18時ちょうどだよ。」

「・・・了解。

お前もうそろそろご飯の時間?」

「あ~。

そうだね。

うん。ご飯の時間だよ

・・・凛叶。

今日のご飯にんにく料理だからダメだけど、今度来た時食べていってね!」

「・・・吸血鬼がにんにく嫌いなこと知ってるんだね。

「・・・うん。吸血鬼が大好きな友達に

散々聞かされてたから。」


「・・・うん。さんきゅ。じゃあな。

あ。絆創膏貼っとけよ。

傷口にばい菌はいるかもしれないし。

俺が血吸うと傷口塞ぎにくいんだ・・・」


凛叶はゆっくりと立ち上がってそう言った。

私は頷くだけ。

凜叶の後を追いかけて玄関まで見送った。

帰り際に

「じゃあ。今日はほんとにありがとう。

お前に話せてよかった。」

その言葉を言って凛叶は帰っていった。



暗い闇の中へと姿を消した。
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