満月の夜に優しい甘噛みを
「いや~気になってさ。曖來ちゃん」

「・・・あ。今日のこと聞いたんだ。」

「うん。聞いた。

俺も最初は受け入れたけど、

正直どう接していいかわかんなかった!」

(今の私と同じ感じだ)

「ねぇ。爽河くん。」

「ん?どした?」

爽河くんしか聞く人はいないと思った。

「私が凛叶にできることってなにかな・・・」

「ん~。そうだな~。

俺と仲良くすることかな~ハハッ」

「も~・・・真剣なのに・・・」

「笑顔の曖來ちゃんでいること。

素の曖來ちゃんでいること・・・。」

爽河くんは真剣な声でそう言った。

「・・・え?」

「笑顔でいることと、

気取らないままの曖來ちゃんでいること」

「それが凛叶にとって曖來ちゃんが出来ることだと俺は思うよ。」

「気取らない私・・・。笑顔でいる・・・。」

「そーんな真剣に悩まなくても。

今のままの曖來ちゃんでいれば大丈夫!」

「・・・そうなの?」

「そうなの!

それが曖來ちゃんにできる1番のこと!」

「わかった!ありがとう!爽河くん」

爽河くんに相談してよかった・・・。

「じゃあね。愛しの曖來ちゃん♡」

「・・・っ、だから~」

「だから?な~に?曖來ちゃん」

「・・・もういい!・・・おやすみ。」

「なんで~なんでなんで~な・・・」

ガチャン・・・ツー・・・ツー・・・ツー

「私も今度は言い返さなきゃ!」

私はそう固く胸で誓った・・・。
< 64 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop