満月の夜に優しい甘噛みを

甘噛み~5~ 懺悔と喪失

・・・

「ただいま留守にしております。

発信音の後にメッセージを・・・」


俺はうさぎの抱き枕に抱きつきながら、

曖來のことを考える。

(・・・出るわけないか。)

自分の部屋に帰った俺はすぐに曖來に電話した。

俺は学校を出たあと、

知り合いの女達にさんざん店に誘われ、

やっと解放されたところだった。

あれは爽河の女友達で、

俺はただ単に付き合わされただけで、

曖來との約束は覚えていた。

(曖來・・・。

あんなに怒るとは思わなかった)

ごめんって言いたい。

(怒るのも無理ないか・・・。

あんなたくさんの女友達といたら、嫌だよな・・・。)

曖來をもう苦しめないって言ったのに・・・。

とんだ大嘘つきだな。

だめだな俺。

何やってんだよ・・・。

あいつの笑顔奪ってばっかだ・・・。

ごめんな。
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