満月の夜に優しい甘噛みを
「・・・そっか。それは、辛かったな。
・・・ん。」
「・・・え?」
「・・・俺の胸貸してやるから。」
優しい声でそういって私に向かって両手を広げた。
「・・・え?」
「・・・ほらってば。」
「わっ・・・」
私は彼の腕の中に包みこまれた。
(なんだろう・・・ 。
すごい落ち着く気がする。)
居心地の良すぎるに、気づいたら
私は全身の体重を預けていた。
それから、5分・・・
「・・・そろそろ重いんだけど。」
「・・・っご、ごめんなさい!」
慌てて体を起こす。
私は、彼にずっと気になっていた事を聞いた。
「あの・・・」
「・・・なに?」
「お名前なんていうんですか?」
「・・・観音凜叶(かんのん りと)。」
彼は名前を教えてくれた。変わった名前だった。
「あんたの名前は?」
「私の名前は菜原曖來です。
高1です。」
「ふ~ん。
・・・そっか。」
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴ・・・
「人間か・・・」トン。
「え?」
電車の音で最後の言葉が聞こえなかった。
私は慌てて聞き返す。
「あ。
・・・いいやなんでもないよ。
今日はもう遅いし、
そろそろ家帰ったほうがいいんじゃない?」
「あ・・・」
腕時計に目をやると20時を回っていた。
(やばっ・・・
門限破っちゃう!)
「・・・じゃあ!帰ります!
あ、ありがとうございました!!」
私の顔を見て彼は
「ハハッ」 と笑う。
「・・・私の顔そんなおもしろいですか?」
「うん。すっげーおもしろい。
目腫れててかなりやばい。」
「うそ!」
慌てて自分の目を触る。
その様子を見て、
また彼は笑う。
くしゃっとした笑顔。
くっきりと浮き出るえくぼ。
人を虜にするような、素敵な笑顔で、
淀んだ私の心に一筋の光をくれる彼。
・・・ほんの少しだけ胸の鼓動が早くなった気がした。
・・・ん。」
「・・・え?」
「・・・俺の胸貸してやるから。」
優しい声でそういって私に向かって両手を広げた。
「・・・え?」
「・・・ほらってば。」
「わっ・・・」
私は彼の腕の中に包みこまれた。
(なんだろう・・・ 。
すごい落ち着く気がする。)
居心地の良すぎるに、気づいたら
私は全身の体重を預けていた。
それから、5分・・・
「・・・そろそろ重いんだけど。」
「・・・っご、ごめんなさい!」
慌てて体を起こす。
私は、彼にずっと気になっていた事を聞いた。
「あの・・・」
「・・・なに?」
「お名前なんていうんですか?」
「・・・観音凜叶(かんのん りと)。」
彼は名前を教えてくれた。変わった名前だった。
「あんたの名前は?」
「私の名前は菜原曖來です。
高1です。」
「ふ~ん。
・・・そっか。」
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴ・・・
「人間か・・・」トン。
「え?」
電車の音で最後の言葉が聞こえなかった。
私は慌てて聞き返す。
「あ。
・・・いいやなんでもないよ。
今日はもう遅いし、
そろそろ家帰ったほうがいいんじゃない?」
「あ・・・」
腕時計に目をやると20時を回っていた。
(やばっ・・・
門限破っちゃう!)
「・・・じゃあ!帰ります!
あ、ありがとうございました!!」
私の顔を見て彼は
「ハハッ」 と笑う。
「・・・私の顔そんなおもしろいですか?」
「うん。すっげーおもしろい。
目腫れててかなりやばい。」
「うそ!」
慌てて自分の目を触る。
その様子を見て、
また彼は笑う。
くしゃっとした笑顔。
くっきりと浮き出るえくぼ。
人を虜にするような、素敵な笑顔で、
淀んだ私の心に一筋の光をくれる彼。
・・・ほんの少しだけ胸の鼓動が早くなった気がした。