満月の夜に優しい甘噛みを
「あ。青空~!お待たせ!待った?」

「おう!待った!けっこうなハハッ」

「・・・ご、ごめん。

待たせちゃって」

「うっそ~。俺もさっきついたばっか~」

「もう~。青空~!」

「ごめんごめん。よしよし。」

青空の手の感触が私の頭に伝わった。

「早く行こ~!人多いね~!!」

「おう。じゃあ行くか!」

青空はそう言って私の手を強く握りしめたまま

「・・・人多いから離れんなよ。」

「・・・う、うん!」


そう私の耳元で囁いた。

私は青空の手を強く握り返した。

「行こ!」

私たちは遊園地に向かって駅前の交差点を歩き出した。


13時10分のことだった・・・。
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