最初で最後の恋。
どうして?
きっと悟にいはバレバレだから芸能人であることを浅井君は気付いていたと思う
どうしよう、とそんなことを考えている私の身体は急に床へ向かって倒れた
急に引かれた腕にそのまま体重が乗ってしまったからだ
そのまま悟にいの胸に飛び込む形になってしまいすぐさま悟にいに謝って離れようと身体を動かすと腕を掴まれ悟にいはその端正な顔に私の顔を近付けた
「あれ、誰?」
いつもは見せない真剣な表情に胸がはねて、昔大好きだった悟にいと重なってどうしようもなくドキドキと心臓が音を立てた
あの頃より大人になった低い男の人の声で耳の近くで言うから、頭がまわらない、
「答えないとチューするぞ。」
その綺麗な顔を近づけてドラマで綺麗な女優さんに口付けてた口で言われるからもう心臓がもたない。
本当にもう勘弁して欲しい、これ以上やられたら本当に好きになっちゃう。
忘れられなくなっちゃう、
もう本当に振られてしまう。
私の想いを知りもしない悟にいの不意に触れた唇に涙が零れた
「だーっ、もー絶対ェしねえから泣くなって!悪かったな、」
くしゃりと頭を撫でられて飯にするかーなんていつものトーンで言われても心はずっと動揺してる。
どうして?