あなたにspark joy
清々した顔で作業服の顔を見下ろしてやるつもりだったのに、私は思わず小さく口を開けた。

嘘でしょ、なんか……あれ?

満月の光と宝石のような水の滴が降り注ぎ、それを受けながら佇む篠宮慶太に、私は不覚にも怯んだ。

なんて綺麗な男なんだろう。

水も滴るいい男、まさにそれだった。

その時信じられないことが起きて、私はギクリとした。

噴水に落ちて私を見つめていた篠宮慶太が、素早く上がってきたのだ。

しかも、私の方に近付いてくる。

逃げることも出来ず、目の前までやって来た彼に成す術もなかった。

篠宮慶太はそんな私を見つめて、低く艶やかな声で言った。

「言っただろ、お互い様だって」

言い終えて、篠宮慶太が私の手を握った。

「なによ、離してっ」

一瞬だった。

彼が私を噴水の中に引きずりこんだのは。

「きゃああっ、嘘ーっ!」

アッと言う間に全身が冷えていき、酔いも吹っ飛んだ。

驚きのあまり悲鳴の後の言葉が思い浮かばない。
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