あなたにspark joy
***

高広は本当にすぐに来た。

「早いじゃん!」

「この近くの取引先から直帰だから」

高広は私を見下ろすと少しだけ笑った。

それから、

「なあ、何食いたい?」

「んー」

暮れかけの空はもう暗くて、肌寒い。

「熱燗!お洒落なイタリアンとか要らないから」

私の言葉に高広がクスクスと笑った。

「別れてから思ったけど……お前、見た目と中身大分違うよな」

私は驚いて高広を見つめた。

「え?!ほんと?そうかなあ」

「ほんとだよ。外見はエアリーでラブリーな感じなのに、中身はサバサバのアッサリ。知らなかったよ」

「エアリーでラブリー?なんだそれ!あのさ、それ褒めてるの?なんか微妙だけど」

少し眉を寄せると、高広は私をチラリと見てから少し目を細めて辺りの景色を眺めた。

「褒めてるよ。凄く、褒めてる」

……なによ、今更……付き合ってた時はなんにも……。

遠くを見つめる高広を少し恨みがましく見つめると、ボスッと大きな手が私の頭に被さり、照れたような高広の声が降ってきた。
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