あなたにspark joy
考えれば考えるほどグッと詰まるような重苦しい感覚が胸の中に充満して、気分が悪い。

熱で気だるい身体でベッドに横たわると、昨夜ここで彼女を抱き締めて眠ったことばかりが思い出された。

なかなかバスルームから帰ってこない彼女を見に行くと、熱の為に床にへたり込んで眠っていた。

抱き上げてベッドに運ぶも、俺もまた熱のせいでどうしようもなかった。

寒いといいながら俺にくっつこうとする彼女が可愛くて、俺はなだめながら彼女を腕の中に囲い、ベッドに横たわった。

……この感覚は一体なんだろう。……彼女が好きとか?

……いや。そんなんじゃない筈だ。

大体、お互いに印象は悪かったしこんな簡単に誰かを好きになるとか有り得ない気がする。

けれど、園田真優に自分以外の男が近寄るのは正直嫌で……。

ただの『お気に入り』的な?

自分の気持ちなのにこの感情の意味が分からなかった。

それから……彼女は怒るだろうか。

けど、ごめん。俺も限界なんだ。

俺は小さく謝ると、彼女に腕を回したまま眠りに落ちていった。
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