あなたにspark joy
見ると街灯の明かりを次々に身に受けながら、スタイルのいい男性がこちらに向かって駆け寄ってくるところだった。

「待てって!」

「うわっ」

「うわっ、じゃねえよ」

わ、わざわざ追いかけてこなくても……。

瞬く間に捕まってしまい、背中が篠宮さんの身体に小さくぶつかる。

私が眼を見張る中、彼が一瞬だけ噴水に視線を送った。

その後再び視線が絡む。

「……」

「……」

凄く嫌な予感がした。

「……ちょっと……もしかして、私を噴水に突き落とす気なんじゃ……」

私がこう言うと篠宮さんはポカンとした後、呆れたように言った。

「俺はそんなに凶暴じゃないよ、君と違って」

な……なんですって?!

余計な一言に驚きつつも、私は敢然と言い返した。

「篠宮さんだって十分凶暴だと思うけど。大体私は高広と飲みに行って店出たところだったのに、無理矢理連れ去るなんて、きゃあっ!」

言い終わらないうちに、強く腕の中に抱き締められた。

篠宮さんの温かい身体と彼の香りに包まれて、息が止まりそうになる。
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