あなたにspark joy
「え、まだ来たとこ……じゃあ、やっぱり私達はこのままここで」

「いえ!妹尾さんは社長といてください。私あの、シーラカンスにご飯あげないとですし」

「えっ!!真優ちゃんシーラカンス飼ってんの?!」

秋彦……じゃなくて社長が驚いて声をあげた。

「そうなんです、うははははは!」

嘘だけどな!

言い間違えただけで、アロワナだけどな!

シーラカンスなんて、ワシントン条約とかで飼えないでしょ。

条約関係なく飼わないけど。

先週、兄が海外に転勤になった為に水槽ごと我が家にやってきのは確か、アロワナだった。

でも今は、シーラカンスでもアロワナでも構うもんか。

とにかく帰りたい。

「じゃあ妹尾さん、社長、失礼します」

二人にペコリと頭を下げて、狭い通路の先を急いだ矢先、反対側から背の高い男性の姿が見えた。

多分今来た客だろう。

「おい、慶太。そのコ確保して」

へ?

「あ?ああ」

はっ?
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