あなたにspark joy
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……五分後。

いまだに私はショットバーから抜け出せずにいた。

完全個室のVIPルームにいるのは、社長と妹尾さん、それに私と篠宮慶太。

「慶太、こちらはうちで働いてくれている園田真優ちゃん」

「は、初めまして!園田真優と申します」

知ってるよ、なんて言われた暁には、私が噴水に突き落としたのがバレるかも知れない。

私は社長の言葉が終わらないうちに篠宮慶太にニッコリ微笑むと、ペコリと頭を下げた。

それから、まるで笑っていない眼を彼に向けると、誰にも気づかれる事なく無言の圧力で言動を制する。

「…………」

「……初めまして」

ホッ。

空気は読めるんだな、一応。

「真優ちゃん、こいつは俺の大学時代からの親友で篠宮慶太。都内で製作の仕事を一部手伝ってもらってるんだ」

「そうですか……」

わが社は、設計の段階から製作を請け負う、言わば物作りの会社である。
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