あなたにspark joy
クラクラするし、ムカムカする。

やだ、嘘でしょ。

ムカムカするほど飲んでない。

私はお酒に強い方だし、こんなのありえない。

もしかして、風邪気味なのにアルコールを摂取したのがいけなかったとか?

うわ、マジでヤバイ。

ここから家までは、バスでも15分はかかる。

しかもこのムカムカ加減じゃとてもじゃないけどバスになんか乗っていられない。

最悪だ……。

私は仕方なく歩道の脇の花壇に腰を下ろすと、ハアッと溜め息をついた。

直後にグラグラとムカムカの第二波が私を襲う。

ダメだ……ダメ。

誰かに頭をグイ-ンと突かれたような感覚がして、私はとうとう花壇から崩れ落ちた。

……はずが、全然痛くなかった。

「大丈夫かよ……」

「あ、あのすみません、風邪気味なのにお酒飲んじゃって……恥ずかしい……ご迷惑かけてす」

慌てた様子で屈み込み、私の体を地面から庇おうとしてくれたた男性に、こう言いかけて息を飲んだ。
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