あなたにspark joy
「ここは俺の家」

「えっ!」

驚いた私を篠宮慶太は静かに見つめた。

「仕方ないだろ。園田さん、家教えたくないみたいだったから。しかも寝ちゃうし」

あ……。

「あの、ごめんなさい……」

あまりにも申し訳なくなって、私は勢いよく立ち上がると篠宮慶太に頭を下げた。

途端に、またしても目眩に襲われる。

「あ」

「おっと」

クラッとよろけた私の腕を篠宮慶太が掴んだ。

「いいから座ってて。薬持ってくるから」

「いえ、そんな」

私が言い終わる前に、彼は部屋を出ていってしまい、暫くすると薬を手に戻ってきた。

「抱いてた時に思ったんだけど」

だ、だ、抱いてた時!

「な、なに!」

過剰に反応してしまった私に、篠宮慶太は一瞬言葉を失ったみたいだったけど、気を取り直したのか後の言葉を続けた。

「園田さん、熱があるみたいだ。身体が凄く熱い」
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