あなたにspark joy
「はい。食べて」

フーフーと息を吹きかけたスプーンを私の唇の前まで持ち上げて、彼は再び微笑んだ。

「ほら」

至近距離で見る篠宮さんの瞳は濃い茶色で凄く綺麗だった。

おまけに清潔そうな口元があまりにも魅力的で、私は息をするのも忘れて彼の顔を見入ってしまった。

起きた瞬間から鼓動が早いままなのに、これ以上はもう、酸欠になるかもしれない。

「真優ちゃん?」

「は、はい!」

急に呼ばれて我に返り、私の眼にようやく銀色のスプーンが飛び込んできた。

「ん、飲んでみ」

口を開けるのですら恥ずかしいのに……でももう逃げられない。

観念した私の唇に、篠宮さんはスプーンを付けるとゆっくりと傾けた。

「美味しい……です」

「真優ちゃんのおかげだよ」

……ダメだ、もうダメだ。

これ以上はもう無理。

男前は、緊張する!
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