あなたにspark joy
……ちょっと待って、色々嫌な予感が……噴水突き落とし事件や、シーラカンス、いや、シーラカンスはこの際どーでもいーとして、二人仲良く熱出して寝込んでたとか……。

そう言えば夢だと思って抱き合ったのはもしかしたら篠宮さんなんじゃ……?だって、脱衣所でヘタリ込んでたのに気付いたらベッドの中だったし……。

それより二人がイトコだということは、ここ最近の出来事は元より、過去の私と高広の恋愛話なんかも情報交換されたりとかして……。

嫌だ、絶対嫌だ、どうしよう。

「ケーニィと関係ないなら着替えろよ。家まで送るから」

「でも、高広は篠宮さんに用があるんじゃ」

「別に。イイから着替えろ。ケーニィ、今日は帰るわ」

篠宮さんの返事も聞かずに高広は少し手を上げると、玄関へと踵を返した。

再び私と篠宮さんだけになった部屋に、なんだか気まずさが漂う。

「あの、熱……大丈夫ですか?」

私がそう問うと、篠宮さんはホッと息をついてから頷いた。

「スープ飲んだあと薬飲んで寝るよ。明日は日曜だしゆっくり体休めたらすぐ治ると思う」

「そうですか……じゃあ私、これで失礼します。色々とありがとうございました」

ペコリと頭を下げて部屋を出ようとした時、篠宮さんが私を呼び止めた。
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