あなたにspark joy
***

今日は締日だ。

昼からは、忙しくて先送りしてしまっていた膨大な伝票をパソコンに入力しなければならない。

いつも三課の伝票を妹尾さんと半分にして入力するのだけど、今日妹尾さんは朝からひたすら会議の資料を作っている。

「頼んだわよ、入力の女王!」

「かしこまりました。その代わりエクセルの女王様、資料作成はお任せします!」

私と妹尾さんは、互いに敬礼するとそれぞれの課へと向かった。

伝票入力は、私の方が早い。

でも資料作成は、エクセルを意のままに操る妹尾さんが断然早くて尚且つセンスが良いのだ。

別に用事がある訳じゃないけど、今日は早く帰りたい。

伝票入力はシークレットナンバーを与えられた限られた社員しか入力できない決まりだ。

入力は締日の定時迄に完了しないと翌月に繰り越されてしまう。

さあ、頑張らなきゃ!

私は自分の中で気合いをいれると、パソコンのマウスへと手を伸ばした。
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