無口な私の復讐劇


実行の時間。


ついに来た。

七限目の体育も残り三分。

沼田佳子とは始めに少しだけ話したことがあるから話しかけても不自然ではないだろう。


チャイムがなった。

よし、作戦決行。

沼田佳子は一人で体育館倉庫の中。

「ぬ、沼田さん。マットの中に沼田さんのイ、イヤフォンジャックが挟まってたよ」

「あ、本当だ。ケータイに付いてないや。ありがとう」

これでよし。

あとは虫のオモチャを置いて、あらかじめ用意しておいた倉庫の鍵でロック!

そして内側から開けても開かないように木で支える。

ガチャン。

完了。

「え?ちょっと、何よ。山田さん?
山田さん!おい、山田!開けろよ!」

入口に声が近づいてくる。

フフフ、馬鹿め。

「キャーーーー!!!!!!!!
なにこれ、キャーーーー!!!!!!!!」

うるさいなぁ。

早く助けを呼びなよ。

「も、もしもし。華恵助けて!
山田の奴に倉庫に閉じ込められたの、今すぐ来て!」

よし、この調子だよ。

「え?来てよ!助けてよ!お願い…だから……」

いやいや、来ないなんて無しだよ。
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