無口な私の復讐劇
七月十二日、水曜日。
雨、最高気温二十度。
蒸し暑い。
だが、今日のターゲット達を殺すには最高のコンディションだ。
今日もいつも通り、何も無かったように登校する。
するとやはり。
やはり校門の前にパトカーとテレビ局の車が何台か止まっている。
通る度にインタビューされる生徒。
生徒指導の先生がそのインタビューを拒んでいる。
だが、私に対しては誰も話しかけてこなかった。
まぁ見た目はかなりの隠キャラだが。
教室に入るとやはりあの三人の話題でもちきり。
私は知らないふりを装う。
「山田さ~ん!」
矢田亜美咲だ。
いつもより疲れたような顔だ。
クラスメイトが死んだからだろうか。
「沼田さん、堤さん、小林さん、藤川さんがね…」
おっと、いいところで先生が入って来た。
「あ、先生から話すと思うわ。じゃあ」
先生の目の下にはクマができている。
自分のクラスの生徒が死んだからだろう、しかも四人も。
「あのね…知っていると思うけど…」
時折、鼻を啜りながら四人の死について話し始めた。
死因は全員アナフィラキシーショック死。
蜂を大量に入れたからそうなるだろうとは思ったけど。