無口な私の復讐劇
そう話しかけてきたのは…。
ごめんなさい、誰だっけ。
凄く美人でスタイルがいい。
名札には(矢田)。
あ、矢田亜美咲(ヤタアミサ)か。
ファッション科の人だ。
カラオケなんて行ってもボカロやアニメの曲しか歌わないし。
流行りの何代目やらなんて全くもって興味無い。
うん、断る。
『最近、家が忙しいんだ…
だから行けないや、せっかく誘ってくれたのにごめんね』
仲良くなんてなりたくない。
少しでもいい印象を与えられればよかった。
だが、「断る」という選択はこの人達にとっては常識外れらしい。
『わかった、じゃあまたね!』
矢田さんは笑顔で帰っていった。
私は読んでいた本の続きを読む。
その裏で取り囲んでた人達の声が聞こえた。
『亜美咲の誘い断るなんてね』
『何にも知らないのね』
クスクスと笑い声が聞こえる。
矢田亜美咲の何を知るものか。
初めて会ったし、そんな事言われてもな。
どっかの社長の令嬢で、逆らったら一生金ずるにされるとか?
ないない、漫画の話。
私ったらやっぱり漫画の見すぎだ。
その後、矢田亜美咲はクラスの全員に声をかけたみたい。